小児科は、0歳から成人前までの患者を対象として医療行為を行うため、そこに勤めるナースには幅広い年齢層の子供をケアすることが求められます。同じ子供でも年齢によって心身の発育状態が異なるほか、認知力にも差がありますので、それぞれに合う対応が必要となるのです。
具体的な役割としては、治療を始める前に子供本人やその保護者に対して行うプレパレーションがあります。これは、治療の意味や方法について相手に対して分かりやすく伝える行為のことで、幼い子供に対して行う場合には、より理解しやすいように図や絵を用いるケースもあります。また、情報通信技術の発達に伴いタブレット端末を使って動画で解説するといったやり方を採用しているクリニックなども存在します。
また、これから治療に臨む子供やその保護者の不安を取り除くというのもナースに求められる重要な役割の一つです。彼らとしっかりコミュニケーションを取ることはもちろんのこと、質問や疑問に対して丁寧かつ的確に応えられる幅広い知識も必要となります。
加えて、治療方針については、保護者だけでなく子供自身もしっかりと理解して受け入れらえるようにしなければなりません。そのために行う説明などはインフォームド・アセントと呼ばれるのですが、これを行うのもナースの役割なのです。子供と保護者の両方の不安をケアしたうえで、彼らが治療方針をしっかりと理解して同意できるように導くのが、小児科のナースに課されたミッションと言っても過言ではありません。