小児科の看護師に向いている人は、細かい作業が得意な人ということが挙げられます。小児は大人よりずっと身体が小さいので、注射をする、包帯を巻く、といった一般的な処置も細かい作業になります。そしてそれらは迅速に行われる必要があります。
年齢にもよりますが、子供はじっとして待っていることは少なく、注射の気配を感じると恐怖で暴れることもあるためです。一度で成功しないとどんどん大変になってしまうので、子供の細い血管に素早く正確に針を刺すことが望ましいでしょう。投薬も体重などによって量が変わるため、その都度計算する必要があります。小児の容態は急変しやすいので、正確かつ迅速な作業が求められるでしょう。
また、小児の患者は大人と違って、大声で泣く、身体を張って嫌がる、などは日常茶飯事です。そのため、いちいち「かわいそう」「どうしよう」とおろおろしていては仕事になりません。子供の涙に感情を動かされすぎると、仕事に支障が出てしまいます。どんなときも冷静に、かつ子供の不安感を取り除けるように優しく、笑顔で接することができる人が向いていると言えるでしょう。逆に、子供の金切り声が苦手という人は、小児科は辛いかもしれません。
小児科では、患者の家族とも密接にやりとりをする必要があります。入院患者の場合、子供はもちろんのこと、親はかなり緊張して心身が疲弊していることが多いものです。子供は親と看護師のやりとりもよく見ていて、自分のケアをする看護師が、信頼できる人なのかを確認していることもあります。患者本人だけでなく、家族へのちょっとした気遣い、気持ちに寄り添ってあげることができる人が小児科ナースに適性があるでしょう。